幽霊の玩具箱

没ネタやら裏話やら色々と書き綴る「玩具箱」。「廃棄場」などでは決してありません…よ?

FGOエイプリルフールクエスト2022の後書き

4/1に始まり、まさかの2日目、第二章を経て終わりを迎えたFGO二次創作、エイプリルフールクエスト2022。

これはその後書きとなります。まだ見ていないって方は↓のURLから動画をチェックだ! 多分全部見るのに1時間半くらいかかる。

https://youtu.be/4KrDvkHpoOo

 

さて、去年もやったエイプリルフールクエスト。今年もやろうと思ったのは確か2022年の2月の初旬くらいでした。

やるのはいいけどエイプリルフールにやるからには『嘘』を絡めたお話にしなければなりません。「嘘…嘘かぁ…」なんて考えてたら、今回の話、藤丸立香の偽りの日常という物を仕事中に思いつきました。多分その前日くらいにYoutubeで流れてきたオトナ帝国の動画のせいですね。

多分こう言ったら分かると思うのですが、今回のお話は全体的にオトナ帝国のような感じでした。ひろし役が立香、しんのすけ役がマシュですね。

これを思いついた時、「あ、これはお辛い話になる」と思いました。なにせ未来を生きるために幸せな今を壊さないといけないわけですから。これを友人の草職人君に話してたら「17歳の少女になんて重すぎることを迫るんだ」と言われました。本当にね。

かくしてお話の内容は決まったわけですが、黒幕をどうするかというのに悩みました。去年に続きニャ…邪神が出張ってくるというのは決定事項でしたが、邪神を動かす誰かがいないといけません。なんやかんやあった末、立香の友達に白羽の矢が立ちました。友達ならば幸せな今を壊すという象徴にもなるかと思ったわけです。鬼か。

そんなこんなでじゃあ友達はどんな奴なのと考えた結果、こんなことするって愛が重いな…となって、ちょっと重い女の子「カナちゃん(仮称)」が生まれたわけです。しかしここで困り果てました。

「これ、立ち絵描かなきゃいけないな?」

僕はそこまで絵が上手いわけでもないので、最終的に友人のヤスベー君に頼むことになりました。ヤスベー君本当にありがとう。

本格的に制作に取り掛かった(取り掛かれた)のは3月からでした。いつの間にか「カナちゃん(仮称)」から(仮称)が抜けてたり、プロットには影も形もなかった蘆屋道満エルトナムさんが出てきたり、一ヶ月で9つも動画を作るのはもはや苦行だったと様々な問題はありましたが、なんとか完成に漕ぎつけることが出来ました。でも道満ホントになんで出てきたんだお前。ちなみにちょいちょいネタを入れていたのは書いている本人が話の暗さに耐えきれなかったからです。あと、今回は女主人公ルートで作りましたが男主人公ルートだとカナちゃんは主人公にひっそり恋をしている設定になる…と思います。そのあたりはあまり考えてなかったのだな。

本当はジャンヌ・オルタやトネリコなども登場させたかったのですが、時間的な都合でカットになりました。やっぱり一ヶ月で動画を9つというのは、かなりの無茶だったのです。

ぶっちゃけこの話を作る時の心情は話の暗さからくる辛さと間に合わないかもという焦りがほとんどを占めてました。だって最後の動画完成したの3/31ですからね。ちなみに残りの小さい部分は心情描写たーのしー! や邪神外道ムーブたーのしー! やモルガン様カワイイヤッター! って感情が占めてました。改めて思うとマジでよく完成したなと思います。

そんなこんなで簡単にではありますが語らせてもらいました。この後書きを含め、話を楽しんでいただけたなら幸いです。今回かなり体力的にも心理的にもしんどかったので次があるかどうかは分かりませんが、今後ともよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

―――彷徨海に存在していた基地、カルデアベースは滅んだ。

私は光が差すストーム・ボーダーの廊下で、マシュと一緒に荷物運びをしている。

なんでも急な引っ越しだから、なかなか作業が終わらないんだとか。

そういうわけで頑張っていると、私が持っている荷物から、何かがひらひらと落ちた。

「先輩、何か落としましたよ」

マシュがそれを拾ってくれる。一枚の紙……? のようだった。

「あ、ありがとう」

私は荷物を降ろすと、その紙を受け取る。

いや、これは紙ではない。長らく感じてなかったこの感触。これは一枚のプリクラだった。

そこにはいぇーいと大胆にピースしている私と、ちょっと恥ずかしそうに/控えめにピースをして笑っているカナちゃんの姿が映っていた。

懐かしい記憶が蘇る。カナちゃんとの思い出が呼び起こされる。

光に照らされるプリクラ。思わず私は窓の外を見る。そこには青空と白い大地が延々と広がっていた。

それを見た私は少し泣きそうになって/不安を感じさせない笑みを浮かべて、ただ一言、口を開く。

「―――うん。行ってきます」

―――いつか未来で会えるよ。この、青い空の続く未来で。